FxProはNDD方式？注文方式から特徴・メリット・デメリットまで解説

FxProは2006年に設立された海外FX業者です。世界各国に拠点を持っており、日本のユーザーが開設する口座の管轄である「FxPro Global Markets Ltd」はバハマ証券取引委員会によって規制されており、グループ全体としては条件が難しいとされる英国金融行動監視機構など、各地のライセンスを取得して運営しています。

FXブローカーとしてはベテランと言える運営年数を持つことや、豊富な業界受賞歴、さらにはこれまでに英国のプロサッカーチームのスポンサーなども多く務めており、高い知名度や安全性で知られるブローカーですね。

FxProの特徴には、安全性のほか取引環境に関わる以下のようなポイントが挙げられます。

特徴と合わせて海外FXを選ぶ時にチェックしておきたいのが、その業者がNDD方式なのか？それともDD方式なのか？と言うことではないでしょうか。

今回は、FxProの注文方式に注目しつつ、メリットとデメリット、そして会社情報など詳細についても分かりやすく解説したいと思います。

FXPro公式サイトを見る

FxProの注文方式はNDD

結論から述べてしまうと、FxProの注文方式はNDD方式であることが公式サイト内で公表されており、透明性・公平性の高い環境で取引できます。

FX業者の注文方式は、顧客の注文の扱い方によって大きくNDD方式とDD方式の2つに分けられ、メリットとデメリットが異なります。

FxProではNDD方式を採用しているため、ユーザーの注文は市場価格で扱われることや、配信されるレートもリクイディティプロバイダーなどから抽出した最適のレートであるなど、透明性・公平性の高い環境で取引することができます。また、スキャルピングやEAを利用した自動売買に対して制限がないことも、NDD方式のメリットですね。

ただし、FxProでは全部で5つの口座タイプを提供しており、選択する口座タイプによっては同じNDD方式でも細かい仕様の違いがあります。

ここで各口座タイプの特徴について、一覧表で確認しましょう。

FxProのMT4口座は、「マーケットエクスキュースション」と「インスタントエクスキューション」と言う2種類の注文方式によってさらに細かく分けられています。それぞれの方式は、一般的には以下のように考えられます。

MT4口座の「マーケット口座」と「インスタント口座」の2種類のうち、トレーダーの立場で選択すべきは事実上「MT4マーケット口座」一択です。

MT4マーケット口座を選択すべき理由は、注文方式以外にスプレッドの狭さがあります。例えばドル円の平均スプレッドでは、マーケット口座が1.2pipsほどなのに対して、インスタント口座は平均1.4pipsほど。0.2pipsの差は小さくはありません。

MT4マーケット口座とMT5口座で提供されているスプレッドは同じですが、MT5口座の方が取引可能銘柄が若干少ないため、利用は各トレーダーの判断で選択すると良いでしょう。また、MT4インスタント口座には固定スプレッドの選択もありますが、ドル円の平均で1.7pipsほどと広い上に相場状況によって変動するので、あえて不利な選択をする理由はありません。

FxProではその他にも、cTrader口座やオリジナルツールであるFxPro(EDGE)口座を利用できる口座タイプも提供しています。ECN取引で有名なcTraderですが、FxProではドル円で平均1.7pipsほど(取引手数料含む)と取引コストとしては低くはないので、cTraderが好きがトレーダー以外には特におすすめの口座タイプとは言えません。

FxProで取引する時は基本的に「MT4マーケット口座」または「MT5口座」が好条件でおすすめですが、興味のある方はそれ以外の口座タイプも試してみても良いかもしれませんね。

FxProはこんな人におすすめ

続いて、FxProでの取引はどんな人におすすめなのかを見ていきたいと思います。

とにかく安全安心な環境で取引したい方

FxProの最大のメリットとも言えるのが、運営会社の信頼性の高さです。豊富な資本金で世界各地に拠点を持つグローバル企業であり、多くのプロサッカーチームやF1チームなどのスポンサーを務めたことのある有名ブローカーです。

FxProは取引環境やキャンペーンの面では他社と比べて優れているとは言い難いのですが、運営会社の信頼性と言う点では海外FXの中でも上位にあると言えます。安全安心なブローカーを利用したい方にとっては、FxProは有力な選択肢になるでしょう。

ニッチな銘柄をトレードしたい方

FxProでは、70種類のFX通貨ペアをはじめとした、取引銘柄の種類の多さも魅力です。

FX通貨ペア以外では特に外国株式銘柄が豊富で、アメリカ株やイギリス株などの欧米企業の株式を合計273銘柄扱っています。その他、貴金属、エネルギー、商品、株価指数、仮想通貨FXなど、各ジャンルの銘柄を取り扱っているので、メジャーな通貨ペアだけではなくニッチな銘柄をトレードしたい方にとってもおすすめです。

FxProの会社情報

FxProは2006年に設立され、世界173カ国で事業を展開する海外FX業者です。地域によって管轄とライセンスが分かれており、以下のようになっています。

このうち現在の日本向けのサービスは、「FxPro Global Markets Limited」の管轄にあります。グループ全体では英国金融行動監視機構などの多くのあるライセンスを取得できていることも、FxProの信頼性の高さを表していると言えます。

1億ユーロと言う豊富な自己資本金に、85を超える業界賞の受賞歴、さらにプロサッカーチームやF1チームとのスポンサー提携など華々しい実績を持つFxProですが、2013年6月には日本の金融庁から「無登録で金融商品取引業を行う者」として警告を受けています。

この警告は、日本の金融庁の認可を受けていない状態で日本在住者に向けてサービスの勧誘を行ったことに対する警告であり、ユーザーとしてFxProや海外FXを利用することには何ら違法性はありません。

実はこうした警告は、XMなど多くの有名ブローカーも受けている場合が多く、FxProだけが特別に悪い訳ではありません。現在多くの海外FX業者は、日本向けのサービスを行いやすいライセンスに切り替えたり、公式サイト内に「日本在住者に向けてサービスを行っておらず、勧誘する意図もない」と言うような内容の文言を記載するなどして、警告を避けつつ運営しています。

FxProのメリット

ここからは、FxProで取引をするメリットについて見ていきたいと思います。以下のような内容を確認していきましょう。

歴史も知名度もあり安全性・信頼性が高い

現在の日本では人気や知名度はやや下火となっているFxProのため、「知名度」と言ってもあまりピンと来ないかも知れません。しかし海外に目を向けると、スポンサーや業界賞の受賞などで露出が多く、2006年設立という海外FXとしては長い歴史を持ち、186万以上の口座開設実績がある大手FXブローカーとして知られています。

運営会社としては、1億ユーロ(約129億円)という豊富な自己資金を持ち、4つの金融ライセンスを取得し世界中でサービスを展開している規模の大きさも特徴です。高い安全性・信頼性は、FxProの最大の強みとなっています。

FX通貨ペア数70種と豊富で、CFD・インデックス・株式銘柄も多彩

FxProでは、取扱い銘柄の豊富さもメリットです。FX通貨ペアを始めとした各種CFD銘柄を扱っています。

以下は取扱いのあるジャンルと銘柄数です。

特に目を引くのが273種類の扱いがある株式で、欧米企業の株式CFDを取引できます。また仮想通貨取引では、土日に関わらず24時間休みなく最大レバレッジ20倍の取引ができる点もメリットに挙げられます。

MT4・MT5・cTraderに対応＋独自の取引ツールも存在する

FxProでは数多くの取引ツール(プラットフォーム)に対応しています。海外FXではメジャーなMT4はもちろん、最新版のMT5、cTrader、そして独自ツールであるFxProプラットフォーム(Edge)も利用可能です。

ただしFxProでは、取引ツールによって口座タイプが分かれていると言うやや珍しい仕様になっており、口座タイプごとに取引条件は若干異なります。他の一般的な海外FXのように、「スタンダード口座の中でMT4/MT5を選択可能」などの様な形式ではないので、その点は注意が必要ですね。

クレジットカードで入金可能

FxProで使用できる入金方法は以下の通りです。

• 海外銀行送金
• クレジットカード(VISA/MasterCard)
• UnionPay

上記の他SkrillやNETELLERにも対応していますが、日本在住のユーザーは使用できません。

この中で最も利用しやすい入金方法はクレジットカードでしょう。通常10分以内に手数料無料で入金できる手軽な方法です。出金の場合は入金額までは同じカードへ返金し、利益分は海外銀行送金で出金します。

FxProのデメリット

ここからは、FxProを利用する上では知っておきたいデメリットについて、以下の点を確認したいと思います。

海外FXにしては最大レバレッジが200倍と低め

世界中でサービスを展開するFxProでは国ごとに管轄となる会社が分かれており、日本はバハマ証券取引委員会のライセンスを得て運営されている「FxPro Global Markets Limited」の管轄下にあります。

しかしFxPro Global Markets Ltdでの最大レバレッジは、FX通貨ペアなどで200倍となっており、海外FXとしてはかなり低めです。もちろん国内FXと比べれば高い倍率ですが、海外FXの高い口座レバレッジに魅力を感じている人にとっては少々厳しい条件になるかも知れません。

※口座開設は、キプロス証券取引委員会ライセンス下にある「FxPro Financial Services Limited」からでも行えるようです。どちらの管轄で口座開設するかは、口座開設時の画面で選択できます。ただし、「FxPro Financial Services Limited」を選択した場合はFXメジャー通貨ペアでも最大レバレッジは30倍に規制されていますので、海外FXを利用するメリットがほとんどなくなってしまします。したがって基本的には「FxPro Global Markets Limited」で口座開設をする方が良いでしょう。

1回の最低入金額が100ドルと少しだけ高め

FxProの公式サイト内には、推奨最低入金額として10万円という記載がありますが、実際の入金は100ドル(相当額)から可能です。

100ドルは十分に少額入金の範囲ですが、海外FX全体としては少し高めの設定になっています。数千円ずつ細かく入金して取引したいような方にとっては、FxProの入金額設定は要注意が必要ですね。

注文が滑りやすい

FxProはNDD方式を採用しています。NDDは顧客の注文は市場で扱われるため透明性の高い方法ではありますが、市場の流動性が低い場合は、オーダーした価格ではない価格で約定するスリッページ(注文が滑ること)が起きる可能性があります。

FxProは比較的スリッページが起きやすいと言われています。2020年の統計では、全体の成行注文のうち80.48％がオーダーした価格で約定し、9.6%がポジティブなスリッページ(より有利な価格での約定)となり、9.93%がネガティブなスリッページ(より不利な価格での約定)となったというデータが公開されています。

このデータからは、何pipsのスリッページが起きているかまではわかりませんが、成行注文の場合は、10回に1回くらいの割合でネガティブなスリッページが起き得ることは考慮しておくと良いでしょう。

ボーナスキャンペーンは全くなし

高額の入金ボーナスや口座開設ボーナスなどの各種キャンペーンは、海外FXを利用する上での1つのメリットですが、FxProではボーナスキャンペーンの類を一切行っていません。

ボーナスキャンペーンを行っていない海外FX業者の場合は、狭いスプレッドを始めとした低コスト取引や高い約定力など、高い取引環境によって顧客を獲得している場合もあるのですが、FxProでは低コスト取引などをアピールしている訳ではありません。他社と比べた場合、特にコスト面では少々見劣りすると言わざるを得ません。

公式サイト・サポート環境共に、日本語対応は十分とは言えない

FxProには、以前の管轄会社の規制機関であったキプロス証券委員会の指導などにより日本市場から一時撤退していましたが、管轄会社を変えて復帰してきている経緯があります。

キプロス証券委員会の指導は、当時のFxProが行なっていた日本在住ユーザーに対してのサービスの勧誘が遠因となっているとも言われており、そのためか現在では、公式サイト・カスタマーサポート共に、日本語対応は縮小してしまっている印象があります。

公式サイトの日本語表記は自動翻訳のような品質であり、所々英語表記が残っているため、お世辞にも分かりやすいサイトとは言得ません。カスタマーサポートは日本語に通じた海外スタッフが当たっていますが、時間帯も月曜日～金曜日の日本時間午前11時～ 午後8時までと限定されています。

さらに公式サイトの問い合わせページには、日本語サポート直通のメールアドレスが記載されていないようです。日本語での問い合わせを行う場合は、「japan.support@fxpro.com」宛にメールをすると良いでしょう。

資金の安全性は分別管理のみ

FxProでは地域ごとに管轄が分かれており、顧客資金の補償制度にも管轄ごとに違いがあります。

日本を管轄する「FxPro Global Markets Limited」では特別な補償制度を行なっておらず、一般的な海外FX業者と同じく分別管理のみの資金管理になっています。したがって万一FxProが破綻した場合、口座内の資金が必ず還ってくる保証はありません。

もっとも、FxProが倒産する可能性は限りなく低いと思いますが、利用する場合はユーザー自身の手で口座内に多額の資金を置いておかないように調整した方が良いかも知れませんね。

スワップポイントは基本的にはマイナス

多くの海外FX業者と同様に、FxProでもメジャー通貨ペアのように金利差の小さい通貨ペアでの取引では、ロング・ショート共に基本的にはマイナススワップになります。国内FXではメジャー通貨ペアでもプラススワップを提供している場合があるので、国内FX経験のあるトレーダーの場合は、こうした仕様の違いは知っておいた方が良いでしょう。

以下は、1万通貨を取引した場合の、主要な3通貨ペアでのおよそのスワップポイントです。

マイナススワップと言うとあまり印象が良くないかも知れませんね。しかし、例えば1万通貨で取引して30円のマイナススワップが発生した場合、その30円は値幅に換算するとおよそ0.3pipsになります。

取引量に対してのスワップポイントの支払い分としては微々たる量と言っても過言ではないので、為替差益を狙うトレードではマイナススワップ自体をそれほど気にする必要はないでしょう。

FxProの評判・口コミ

ここからは、実際のFxProユーザーの評判や口コミを、ツイッターに投稿されたツイートから見てみましょう。

XMは日本だけ、世界では～と言う人いますが、ヨーロッパへ来てください。ヨーロッパで生活するとXMの広告が結構流れるますので。FXに興味ない友人が、FXと言えばXM、くらいの感覚になるほど。FxProとかHotForexなども、目に入ります#海外FX

— マイク@トレーダー。ドル円＆日経平均🗾たまに金 (@IamMichaelHILL) May 4, 2020

FXPROは一旦全額出金。これで楽天カードはきれいになった。メイン口座なのですぐ戻るけど。 pic.twitter.com/5t2fxGYq16

— Nick (@nick_friedman) May 6, 2020

海外FXの出金テスト。昨日のFXProに続いて先ほどMyfxMarketsからの出金完了メールに続いてbitWalletから着弾メールが来た。少し遅れてTraders Trustからメールが来たから出金完了かとオモタら身分証出せって内容だった。今月初めに取引口座作り直した時に出したやんw

— GG MILER (@FX_MILER) June 1, 2020

FxProユーザーのツイートでは、最大の特徴でもある信頼性に関するものが比較的多く見られました。日本のユーザーにとっても、FxProは信頼できるブローカーとして認識されているようです。

FxProに関するQ＆A

最後に、FxProについてよくある疑問をQ＆Aでまとめたいと思います。

FxProはNDD方式？

FxProはNDD方式を採用しており、顧客の注文・決済のプロセスや配信されるレートにおいて、透明性・公平性の高い環境で取引を行えます。

すべての口座タイプでNDD方式での取引になりますが、注文の実行モデルには口座タイプによって少し違いがあります。

具体的には「MT4インスタント口座」でのみ、「インスタントエクスキューション方式」で注文は実行されます。この方式ではブローカーが顧客の注文を受けると一旦ブローカーが決済して約定させ、カバー先へ流して注文を処理します。一瞬ですが「注文を呑む」ことが起こり、場合によってはリクオートも発生します。

「MT4インスタント口座」は、他の口座タイプと比べるとスプレッドも少し広めなので、基本的にはそれ以外の口座タイプを選択した方が良いでしょう。

日本語対応は充実している？

FxProでは、公式サイト・カスタマーサポートともに日本語対応という点では他社よりも一歩後退していると言わざるを得ません。

公式サイトでは自動翻訳のような日本語表記になっており、英語のままの部分も目立ちます。カスタマーサポートでは日本語によるサポートを受けられますが、日本語に通じた海外スタッフが当たっており、質問してからのレスポンスも早い方ではありません。

スプレッドは狭い？

FxProのスプレッドは、特別狭くはありませんが広い訳でもなく、平均的です。以下は主要通貨ペアでの平均スプレッドです。

金融庁からの警告を受けたことは？

FxProは2013年6月に、日本の金融庁から「無登録で金融商品取引業を行う者」として警告を受けています。これは、日本の金融庁に登録していないのに、日本在住のユーザーに自社の金融サービスを勧めていると判断されたことが主な原因です。

警告が出されているとユーザーの立場としては心配になりますが、トレーダーとしてFxProや海外FXを利用する分には違法性はないのでご安心ください。

また、海外に拠点を持つFX業者に対しての警告は、現在のところ法的拘束力はありません。同様の警告は他の有名海外FX業者の多くが受けていますが、公式サイト内に日本在住者へのサービスの勧誘は行なっていない旨を明記するなどして警告を免れています。

まとめ：注文方式はNDD！メリット・デメリットを総括

今回は海外FX業者のFxProについて、注文方式やメリット・デメリットなどから、どのようなFXブローカーなのかを解説してきました。FxProはNDD方式を採用しているブローカーなので、透明性・公平性の高い環境で取引が可能ですね。

今回の記事で解説したメリット・デメリットを、改めて確認したいと思います。

2006年に設立し長い運営年数と実績を持つFxProでは、運営会社そのものの信頼性や安全性が最大のメリットと言えます。一方で、最大レバレッジ200倍を始めとした口座スペックの弱さや、日本語対応の不十分さは、考慮しておくべきデメリットと言えるでしょう。

海外FXで信頼性を最重視するトレーダーにとっては、FxProは良い候補になるのではないでしょうか。

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